長野県では、自然や地域を取り入れた保育の普及をはかって、2015年から「信州型自然保育認定制度」を導入。「信州やまほいく」というのは、より親しみをもって受け入れられるようにと付けられた愛称です。

認定園では、保育者の研修交流会の開催や、自然体験専門指導者の派遣、自然保育体験会への経費補助といったサポートが行われます。その情報を広く提供するために作られたポータルサイトが、「信州やまほいくの郷」です。

子どもたちにとって、もっとも大切なのが幼少期の経験です。そこでどれだけ豊かな体験をしたかで、その後の人生の豊かさにもつながっていきます。信州やまほいくでは、そのような大切な時期を、信州の大自然のなかでのびのびと育てることを推奨しています。

長野県は、その県土のじつに78%が森林。日本の屋根といわれる標高3,000メートル級の山々や、清らかな川の流れは、ほかではなかなか味わうことができません。その豊かな自然をバックボーンに、野外保育団体の数でも日本最多をほこっています。

そして、県内の村の数でも日本一。広大な県土のなかに、さまざまな地域性も抱えているのです。その土地ならではのお祭りや行事を経験することで、子どもたちにとっても忘れられない「心のふるさと」となるでしょう。

このように、信州は自然保育にとってまさに絶好の環境といえます。もちろん、ただ自然のなかに子どもを放り出すだけではありません。専門的な知識と経験持った保育者がつねにその環境を見守っています。あくまで安全に守られたなかで自由に遊び回り、やがて自分たちなりのルールややり方などを見つけていくのです。

このような保育は、子供の心にとってさまざまな良い影響をもたらします。大自然のなかでは、人との比較にあまり意味を感じられません。誰もが主役の一人となって、ありのままの自分や友だちを受け入れられるようになります。このような強い自己肯定感は、厳しい状況にも立ち向かえるポジティブさをあたえてくれるでしょう。

また、自然の自由さから生まれる好奇心や発想は、無限大。たくましく生きていく力へとつながっていきます。友だちと助け合ったりぶつかり合った経験からは、コミュニケーションを学ぶこともできるでしょう。

自分で育てた食物を実際に調理して食べることで、命が生まれ土に帰っていく、その大切さも実感することができます。心だけではなく、自然の中で走り回ることは、より健康でたくましい体づくりにも欠かせません。

このように、信州やまほいくでは、あくまで子どもがみずから成長する力を信じて、それを見守るという教育方針を取っているのです。